2019年の振り返り
PHPerKaigi, Laravel, Angularなど


2019年は色々な転機となる年になった気がする。振り返りをしておきたい。

PHPerKaigi 2019 / フレームワークとの出会い

3月下旬に開催された PHPerによるPHPerのためのお祭り だ。当時はあまり意識していなかったが、このカンファレンスが様々な転機のきっかけとなった気がする。

PHPerKaigiは間違いなくPHPのカンファレンスなのだが、PHPとは何の関係もない言語の話やコードが一行も出てこない設計や抽象化の話が喝采を浴びたりもする割とカオスなカンファレンスだ。自分は主にPHP以外の話から刺激を受けた。

自分のPHP歴は15年ほどだ。ORM、DIコンテナ、ルーター、テスティングフレームワーク、長いなりに大抵のものは自作してきた。バニラ状態のPHPからそこそこ大規模なサービスをフレームワークなしで作ったりもした。

思えばこれが良くなかった。目の前の技術で当座事足りてしまうため、いわゆる「モダンな開発」を学ぶ動機が無かったのだ。PHPには詳しいがそれ以外には詳しくないプログラマー、だったのかもしれない。自分がPHPを学んできた間に他の皆はその辺りの面倒な部分はフレームワークに任せ、言語を超えた設計やパラダイムを学んできたのだろう、と言った感想を得て、それまで片手間程度にしか学んでいなかったLaravelを本格的に学び始めた。

Angular の視界が開けた

PHP歴が長かったなりにLaravelはそこそこの速度で学べたのだが、そうすると不思議なことにAngularのスキルが上がった。一気に視界が開けた感覚だった。

Angularもそこそこ長く使っているがフロントエンド自体そこまでやり込んでいない。Laravelなしでサーバ一通り作ってくれと頼まれれば対応できるがAngularなしでSPA一通りというオーダーにはおそらく対応できない。言うなればAngularへおんぶに抱っこ。少しでもベストプラクティスから外れた要件が入ってくると一気に何をすれば良いかわからなくなったりしていた。

ところでAngular日本ユーザー会の @lacolaco さんがこんなことを仰っている。

  • 守: レールに従う
    • 基礎力 / ベストプラクティス
  • 破: レールを外れる
    • 応用力 / テクニック
  • 離: レールを敷く
    • 設計力 / オピニオン

Angular初心者からのネクストステップ より引用

Angularへおんぶに抱っこ、言うなればレールに従うやり方しか解らない、レールをどうやって外れれば良いか解らなかった状態なのだと思う。

PHP歴が長いなりにLaravelではここはすぐ超えられた。レールに従うべき場面、外れても良い場面、どんな時に外す判断をすべきなのか。つまり「フレームワークとの向き合い方」というメタなスキルがLaravelを通じて磨かれ、そこからAngularで出来ることの幅が広がった、ということなのだろう。

これに関しては自分ごとながら興味深い現象だったので、今見えている視界が今後どのように変わっていくのか、引き続き自分自身を注視してみたい。

事業や成果物など

幸運なことに今年は立て続けに2つも新規サービスの立ち上げに携わることができた。

共に開発者としての参画だが、新規サービスの立ち上げなどそうある機会ではないのでここぞとばかりにサービスや事業そのものへ様々意見していくようなスタンスで臨んだ。明らかに裁量を超えた形での参画だが、嫌な顔ひとつせず丁寧に聞き入れてくださったり、受け入れがたい箇所は理由を丁寧に説明した後容赦なくボツにして下さったり、関係各位の懐の深さにはとにかく感謝している。

反省点があるとしたら、これらがあまりにも楽しくついオーバーエンジニアリング気味に作り込んでしまったため、既に走っている事業の底上げやテコ入れがだいぶ手薄になってしまった点だ。どちらが良かったのかはよくわからない。もしかしたら数年後に事業の結果という形で答えが出るかもしれないが所詮は当たらぬも八卦だ。後悔の無いように動きたい。

2020年の展望

2019年後半にいくつかの大規模カンファレンスにCfPを出した。引き続きだしていくつもりだ。PHPerKaigiや少し前に書いたbuildersconにはとても感謝しているので次は自分が提供する側に回りたい。

また少し新しいことにチャレンジしていたりする。技術的な内容といえば技術的な内容、そうでないといえばそうでない、ここにはちょっと書きにくい内容なのだが、ともかくその一環で勉強会やカンファレンスへの参加や登壇を増やしていきたい予定だ。多忙が災いすることも多かったので、まずはその辺りうまくやりくりするところから始めようと思う。

それでは皆さん、良いお年を。


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